私とピン球

真っ白で、つるつるで。

絶対に人で忖度しなくて。

上手くいったら、正直にカン、と笑いながら飛んでいってくれて。

真っ直ぐな弾道が大好きだった。

絶対に叶わないと知っていた。

誰よりも知っていた。

だけど、恋は止められない。

ずっと、打っているだけで良かったのに。

ずっと、側にいるだけで良かったのに。

なのに、こんな形で終わるなんて……!

ピン球だから、恋しちゃいけないの?

ピン球だから、殺されてもいいの?
  
ああ、キュウスケ、あなたはどうしてピン球なの?

あなたがもし人間だったのなら、良かったのに。

どうして、ピン球なんて儚いものに生まれてきたの?

胸にキュウスケを抱え、一人公園で泣きながら、短い初恋の終わりを迎えた。