呑気に帰ってきたタイヨウは甘え全開だった。
いつも甘えん坊上手なタイヨウだけど…今日は何だか違った。
少しずつ、別れが近づいている雰囲気。
私も精一杯抱きしめたけど、タイヨウにはなかなか勝てなかった。
私の膝の上にいたタイヨウだったけど、いつの間にかタイヨウの膝に住んでいた私。
いつ交代した?
と、聞いてしまいたいくらい自然だった。
でも、タイヨウの膝にいた方が落ち着くのは私だけだろうか…
「明日、何時?」
『10時にLucasの家に行かないと…』
「起きなくてもいいけど?」
と、
笑ったタイヨウ…
笑ってくれたけど、目が笑えてなくて切なくなってしまった。
『泣いてもいいよ』
「泣かないよ」
『なんで?』
「りさに譲るよ」
『そういう日本語だけ得意だね』
人をいじめる日本語は完璧。
そんなタイヨウがかわいくて、今日は泣く気がしない。
泣くより、幸せな感情が強かった。

