休み時間、廊下を歩いていると
無意識に晶のクラスを覗いてしまう。

明るい性格から、晶をは男女問わず人気者だ。

まあ、新しいクラスで晶が楽しんでるのはいいが…俺ら以外の男と小突き合いをしているのはなんか面白くない。
紺野曰く、晶を狙ってる男もいるって噂もよく耳にするようになった。晶は全く興味ないみたいだけど… 仲間だからって油断して後悔しないようにしねぇとな。

そんなふうに考えてたら晶と目が合い、駆け寄ってきた。

「武!どうしたのー?あ、また教科書忘れたの?」
俺の気も知らずに無邪気な笑顔で話しかけてきた。
「ちっ、ちげーよ!通りかかったらうるせー声が聞こえてきたから誰かと思って覗いてみたら、お前だったってわけ」
なんてぶっきらぼうに答えてしまった。
晶はなによそれ、と肩を叩いてクラスに戻っていった。
いざ晶を目の前にすると素直になれなくて同じ事の繰り返しだ。さすがにそんな自分にも嫌気が差してくる。