私ね…

学校につくとみんなが俺を見た。

「あの人って喧嘩ばっかしてるっていう…」

「ずっと学校来てなかったよね？」

「なんで学校来たんだ…？」

みんながヒソヒソと俺の話をしている

声が聞こえてきた。

でも不思議とその声は気にならなかった。

俺は2年A組と書かれている部屋に足を踏み入れ

自分の席に着いた。

「叶夢！！お前やっと学校に来たのか！」

その時一人の男が勢いよく俺に話しかけてきた。

「晴人か…」

こいつは鈴木 晴人(すずき はると)。

俺の幼馴染だ。

「心配してたんだぞ！？学校来ないで喧嘩ばっ

かしてるって聞いてさあ！」

相変わらず心配性なやつだ。

「あー、わりぃわりぃ」

まぁ適当に謝っときゃいいだろ。

「お前…」

晴人が驚いた顔をしている。

「なんだよ？」

晴人もか。

今日は変な日だな。

「お前変わったな！いつもだったら無視するの

に！」

確かに…。

なんでだ？

「いいだろ、別に。」

すると晴人が急にニヤニヤとし始めた。

「お前さては…彼女でもできたな！？」

「はぁ？

そもそも俺は女とろくに話したことも…」

『私ね…』

急に頭に響いたその声は

今朝聞いた声と同じものだった。

なんだ…？

一体この声は…

ー キーンコーン…カーンコーン ー

その時一限が始まる予鈴がなった。

「やべ！！叶夢！またなー！！」

晴人はそう言うと走って教室を出ていった。

確か晴人はB組だっけ？

「はーい、席につけー」

担任が出席をとり一限が始まる。

そしてあっという間に一日が終わり

学校を出た。