ライブが始まると、ライブ会場の熱がハンパない。杏奈の目は、キラキラ輝いている。あーくんをずっとながめていた。

はぁ、来なきゃよかったなと思っていた時、なにか視線を感じた。ふと、顔を視線の感じる方に、向けると、ステージの上のさっき助けてくれた超イケメンさんの視線だった。目が合うと、その超イケメンさんは、ウインクしてくれた。
周りの女の子たちは、それを見て、キャーキャー騒いでいた。それから、その超イケメンさんとは、目が合うことはなかった。

ライブが無事終わり、杏奈に超イケメンさんについて聞いてみることにした。

「あのさ~、あの超イケメンさんって、名前なんて言うの?」

と聞くと、杏奈はスマホの画像を見せながら

「さーくんで間違いないでしょうか?」

と聞いてくる。まさに、この人こそ超イケメンさんである。杏奈はニヤニヤしながら、

「あれ〜、さーくんのファンにでもなっちゃった〜?」

と聞いてくる。紫緒は、冷静に

「ただ聞いただけ。」

と答えたが、まだニヤニヤしながらこちらを見ていた。