「……美羽ごめん、嫌な思いさせて」


そんな空気の中、先に口を開いたのは類だった



「わっ、私こそ……勝手に家にあがって
 しかも覗いたりして、ごめんね?」


「だから美羽は悪くないって」


「……た、立ち聞きして……ごめんなさい……」


私は、隣にいる類と
少し離れて向かい合っている女の人に頭を下げた




勝手に家にあがって、しかも立ち聞きなんて
幼馴染みとか恋人とか、どんなに関係が深くても
普通したらいけない事だよね……





重たい空気の中、女の人がやっと口を開いた




「ごめんなさい……
 こんな、勝手な事してしまって……」


女の人はそう言って、私に向かって頭を下げた



「あっ、頭上げて下さい!
 わ、私の方こそ……なんか、ごめんなさい」


何この変な空気漂う修羅場……