養護施設で出会った人達は、とても良い人達だった。

私の誕生日には、先生方がご馳走を作ってくれた。
それをみんなで囲んでたくさん祝ってもらった。

本当の家族がいなくても、私には施設のみんなが家族のように思えた。

親がいないのは私だけじゃない。
施設の子達はみんなそう。

だから、寂しいとも思わなかった。
寂しいと思ったら負けだ。


高校生になった私は、部活に入ることを諦め、必死にバイトを初めた。

テスト期間中も関係なくシフトを入れてもらった。
親の扶養に入れない私は、自分で被保険者となり、しっかり税金を収めながら働いた。


週5で1日5時間働き、北海道の時給は安いが月の給料にすると、10万円以上は毎月稼ぐことが出来た。