死なないあたしの恋物語

「それってどうにかならないのか? 13歳でも14歳でも、そんなに変わらないだろ?」


「ダメだよ。そうやってずるずる生活をしていても、高校生や大学生になったらどうするの? あたしはずっとこの姿のままで、みんなだけ大人になって行って。あたしはそういうのを見るのは辛いんだよ?」


「でも……っ!」


洋人君はどうにかならないかと、眉を寄せて考え込んでしまった。


「それなら、俺の記憶だけ残しておくことは?」


「それも、できない」


あたしも、それができればいいなと思ったことは何度もある。


2人だけの秘密を共有して生きていくのだ。


でも結局時間がたてば同じようなことになると気がついた。


相手ばかり成長してあたしは変わらない。


そんな生活を続けることができるとは思えなかった。


いずれ相手があたしから離れていくか、あたしから離れていくか、どちらかの運命しか存在していないのだ。


赤の他人の中学生と大人が一つ屋根の下で暮らしていて、黙っている人も少ないはずだ。


「なんで……」


現実を突きつけられた洋人君がうなだれる。


全身の力が抜けていくように、グッタリと。


そんな姿は見たくなかった。


2年生にあがるまでまだまだ時間はあるのだから、洋人君の笑顔が見たかった。


「本当はすぐにでも記憶を消すことができるの」


そう言うと、洋人君は顔を上げてあたしを見つめた。


その目には恐怖が浮かんでいる。