記憶ゲーム

それからの生活は実に荒れたものだった。


家の中のことは妻にまかせきりだったこともあり、私1人ではどこになにがあるのかも把握できていなかった。


掃除も選択も料理もままらなず、すぐに諦めてしまった。


それよりももっと大切なことがある。


アキナを探さないと。


そんな思いに後押しをされて、また1人で外へ出ることもあった。


「おい、大丈夫かよ」


妻が出て行ったことを知った友人たちは、たびたび家を訪れてくれるようになった。


「大丈夫だよ。私はここにいて、アキナと妻の帰りを待たないといけないからね」


彼らにそう返事をしていると、いつしか家を訪れる友人の数は減っていた。


なにがいけなかったのか私にはまだわからない。


それから月日が流れて、アキナが11歳になった。


「誕生日おめでとう、アキナ」


私はアキナの写真へ向けて声をかけて、ワンホールのケーキを少しだけたべた。


残りを冷蔵庫に入れておこうと思ったが、ふと、アキナが帰ってきてすぐに食べるかもしれないと思い、テーブルの上においておくことにした。