アキナが通う小学校には知り合いの教師もいるし、気になることがあればそのつど気軽に相談することもできる。


この日、私はいつもどおり出勤して、いつもどおり自分の受け持ちのクラスで授業をした。


生徒たちはみんな可愛くて、女の子を見るとついアキナと重ねて見てしまうことも多かった。


アキナはこの子より少しおとなしいとか。


アキナはこの子より背が高いとか。


決して口にはしないけれど、一人娘を誰よりも溺愛していると自覚していた。


２３歳で結婚し、すぐに子供がほしかったがなかなか授かることなく２０代後半になった。


妻と私は一緒に病院へ行き、私のほうに問題があることもわかっていた。


それから長い間治療を続けて、やっと授かったのがアキナだ。


本音を言えば、２人目３人目がほしかった。


けれどそれは難しいだろうということは、すでに医者から聞いてきた。


だからこそ私はアキナが可愛くて可愛くて仕方がなかった。


同じ学校にいればことあるごとに口出しをしていたこと、間違いなしだ。