記憶ゲーム

☆☆☆

家に戻ってきた私は麻袋の中の少女を見て愕然とした。


その子はアキナに似ても似つかぬ女の子だったのだ。


街で会ったときにはアキナで間違いと思っていたのに、こうしてよく見ると全然違う。


鼻の形も目の形も輪郭も、すべてできそこないのように見えた。


ガッカリしてしまうと同時に焦りが沸いてきた。


これがアキナではないとなると、私は大変なことをしてしまったことになる。


「どうしよう」


呟くが、考えるより先に少女を解放するべきだった。


今はまだ気絶しているから、元の公園に連れて行くか。


いや、その間に目を覚ますだろう。


そうなると私はどうなる?


スッと血の気が引いてくのがわかった。


私は犯罪者だ。


いつか聞いたことのある少女を誘拐したあの男と同罪だ。


これが世間に知られると妻はもちろん、アキナは戻ってこなくなってしまうかもしれない。


それだけじゃない。


どうにかこうにか続けている仕事もなくなるだろう。