規制アプリ

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そして3時間目の授業中に異変は起きた。


横目で確認していると、樹里の様子が落ち着かなくなってきたのだ。


何度も椅子の上で体勢を直し、先生の言葉を聞いていないのかノートを取ろうともしない。


それは時間がたつにつれて目立ってきていた。


「来栖さん、どうしたんですか?」


国語の女性の先生にそう聞かれ、樹里はキュッと唇を引き結んだ。


心なしか顔色も悪くなっている。


「大丈夫ですか? 体調が悪いんですか?」


樹里の顔色の悪さに気がついた先生が声をかけると樹里はうなづいた。


「保健室に行っていいですか?」


樹里が言うと先生はうなづいた。


「それならついていきます」


前田さんが手を上げそうになったのを見て、あたしは先にそう言っていた。


教室内からざわめきが起こり、樹里があたしを睨みつける。


それでもかまわずあたしは樹里の隣に立って歩き出した。


樹里はなにか言いたそうにしていたが、我慢の限界なのか足早に教室から出た。


そして真っ直ぐにトイレへ向かう。


しかし、その手前で足を止めてしまった。


トイレに入りたくても入れないのだ。


あたしが今朝、そう規制をしたから。


そして、樹里の飲み物に混ぜた薬は排尿を促す薬だった。


以前父親が服用していたものの残りだ。