規制アプリ

☆☆☆

あたしが真面目に体育の授業に参加したのは単位のためでもなんでもない。


少しでも自分に疑いがかからないようにするためだった。


体操着がないことを先生に相談し、体操着を借りていたとわかれば飲み物に細工した候補から少し外れることができる。


もちろん、それだけで疑いは晴れるとは思っていないが、先生はきっとあたしの味方をしてくれるだろう。


そんなずるい気持ちがあった。


借り物の体操着で体育館に現れたあたしを見て、樹里はあからさまに顔をしかめた。


小さく舌打ちまでしている。


今日の授業がバドミントンでよかった。


バレーとかバスケだと玉を当てられることが目に見えているから。


バドミントンの軽い羽なら、当たったところでケガもしない。


そうして授業を受けた後、樹里たちはあたし一人に片づけを押し付けて教室へと戻っていってしまった。


「手伝うよ」


そう声をかけてくれたのは前田さんひとりだけだ。


「前田さんって、樹里と仲がいいの?」


片づけをしながら聞くと、前田さんはうなづいた。


「うん。幼稚園の頃からの友達だよ」


以前樹里が言っていたことは間違いじゃなかったみたいだ。