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あまり眠れないまま朝が来ていた。


痛む体を無理矢理起こして、スマホに手を伸ばす。


昨日重行にかけた規制はそろそろ解けて自由になっているはずだ。


とすれば、今度は蕾の番だ。


あたしはアプリ内に蕾の写真を入れて、どうしようかと考え込んだ。


大きな復讐じゃなくていい。


昨日重行に行ったみたいに、小さい復讐で、それでも4人の仲に亀裂が入るようなものはなにかないだろうか。


あたしは蕾の行動をしっかりと思い浮かべた。


樹里の友達で、いつも4人で行動をしていて、そして鏡を手放さない。


「鏡か」


あたしはポツリと呟いた。


きっと、蕾の中で一番執着心のあるもので間違いないだろう。


その鏡を見ることができなくなったらどうなるだろう?


考えて、自分の口元が緩むのを感じた。


いいかもしれない。


今から24時間蕾は鏡を見ることができなくなる。


そうなったときの顔を想像して、あたしはほくそ笑んだのだった。