樹里の内臓が体内で上下に分かれる感触がした。


実際に内臓破裂でも起こしたかもしれない。


樹里は殴られた瞬間血を吐いた。


それでも樹里への憎しみは消えなかった。


これほどまで相手を憎いと感じたことは、生まれて初めての経験かもしれない。


「イジメなんてさ、すごく些細なことではじまるよね? 伊代のときもそうだった。だけどね、今回は違う。あたしは伊代の復讐を背負ってここにいる」


あたしは言いながら樹里を殴る。


殴る殴る殴る殴る。


樹里の鼻から血が流れ出す。


口が切れる。


それでも憎しみは増すばかり。


樹里を最後まで殺してしまわないと、この怒りはきっと消えない。


「これはイジメじゃない。生半可なところでは終わらない。わかる?」