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「お前、重行になにをしたんだ!?」


「重行、あたし、あんたになにかした?」


あたしは一樹からの質問を、そのまま重行に投げかけた。


その瞬間重行は青い顔を更に青くして、左右に首を振る。


こんな状況でもあたしのことが怖いなんて、相当な恐怖を植えつけることができているみたいだ。


あたしは満足して大きく息を吸い込んだ。


伊代もきっと、こいつらへの恐怖心で逃げ出したくても、逃げられなかったことだろう。


たとえ目の前に逃げ道があるように見えても、それは肌で恐怖を感じていない人間にしか存在していないものだ。


「じゃ、あたしはもう帰るから」


そう言って2人に背中を向ける。


「待てよ!」


一樹の叫び声が聞こえるけれど、それを無視して廃墟を後にしたのだった。