規制アプリ

☆☆☆

「田中、ちょっといいか?」


それは田中先生からのいつもの呼び出しだった。


田中先生に呼ばれただけであたしの心臓はドクンッとはねる。


「はい」


返事をして、カバンを手に廊下へ出る。


田中先生の後ろをついて歩くだけで幸せな気分になれた。


「ここって……」


田中先生が入って行ったのはいつもの職員室ではなく、空き教室だった。


中はほこりっぽくて少しむせてしまう。


「誰にも聞かれないほうがいいかと思ってな」


先生はそう言って教室のドアを閉めた。


2人きりに空間になって心臓は早鐘を打ち始めた。


この状況で先生のことを意識するなといわれても、それは無理なことだった。


あたしは背の高い先生を見上げる格好になった。


「今日は随分と楽しそうだったな」


「はい」


休憩時間の様子を見ていた先生に、あたしはうなづく。