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樹里と蕾の関係がぎくしゃくしているせいか、今日のＢ組の雰囲気はいつも以上に悪かった。


みんな大きな声で会話することを遠慮しているようで、昼休憩中だというのに教室内はとても静かだった。


あたしからすればそれは心地よい時間だった。


誰にも邪魔されずにお弁当を食べることができるから。


「蕾、食べなよ」


樹里の声が聞こえてきて視線を向けると、蕾は自分のお弁当を目の間にして硬直してしまっていた。


端を持った状態で動くことができなくなっている。


「わ、わかってるよ」


樹里にそう返事をしているものの、端で掴んだものを口元まで持っていくと、また落としている。


「その冗談もう笑えないんだけど？」


樹里の声がまた険悪になる。


蕾は今にも泣いてしまいそうな表情で、懸命に食べ物を口に運ぼうとしている。


いくら食べようとしても、無理なものは無理なのに。


その光景がこっけいで、あたしは必死で笑いを我慢しながらお弁当の残りを食べたのだった。