規制アプリ

☆☆☆

次に目を覚ましたときには昼近くになってしまった。


こんなにゆっくりした1日を過ごすのは久しぶりで、1階へ向かうと両親ともに出かけていた。


父親は仕事で、母親は買い物に出たみたいだった。


「買い物に行くならひと声かけてほしかったなぁ」


ブツブツいいながら冷蔵庫のお茶を取り出して一口飲む。


誰もいないから、食パンを焼いて簡単な朝食にした。


しばらくテレビをつけてニュース番組を見ていたけれど、これと言って気になるものもなく、暇になったあたしはサイフを持って外へ出た。


近所のコンビニまでなら部屋着のままで十分だ。


コンビニでジュースとおやつを調達して出てきたとき、見知った顔が目の前にあってあたしは足を止めた。


相手も驚いた表情であたしを見ている。


「ちょっと、亜里沙じゃん!」


大きな声で言ったのは前の高校の友人だった。


ショートカットでサバサバした性格の子だ。


「百合、元気だった?」


嬉しくて、つい笑顔が浮かぶ。


「元気元気! それよりも亜里沙、全然連絡くれないじゃん。みんな心配してるんだよ?」


そう言われて胸がチクリと痛んだ。


前の友人たちとはなるべく会わないようにしているのだ。


自分の復讐心が揺らいでしまうかもしれないから。


「ごめんね。授業の進みが速くて、学校でも家でも必死なんだ」


「本当に? あの高校って生徒は好き勝手してるって噂だけど、違うんだ?」


「う、うん。真面目な子ばかりでもないけどね」


苦笑いを浮かべてどうにか話をあわせる。


嘘をついているという罪悪感が生まれて、視線を合わせることができなくなった。


コンビニの前で10分間ほど会話してから、あたしは自宅へと向かった。