規制アプリ

☆☆☆

それからも重行はあからさまに樹里を避けた。


樹里が少しでも近づくと、飛びのくようにしてその場から離れる。


「いい加減にしろよお前!」


樹里を避けることによって怒りに燃えたのは一樹だった。


一樹は大またで重行に近づくと、その胸倉を掴んだのだ。


身長差も体格差もあるため、重行の体は少し床から浮いてしまっている。


その怪力にあたしは目を見開いた。


ここまでの力を持っている一樹が、もしボクシングをしていなかったら?


好き勝手に暴力を振るっていたらどうなるだろう?


そう考えて背筋がゾッと寒くなった。


「ち、違うんだ!」


重行は必死で両足をばたつかせて一樹から逃れようとしている。


しかし、それではビクともしない。


さすがに教室内に女子たちの悲鳴が響いた。


「なにがどう違うんだよ! さっきからナメた真似しやがって!」


「お、俺だってどうして樹里から逃げるのかわからないんだよ!」


必死に説明をしているが、そんなものが理解されるわけがない。