規制アプリ

「重行、あんたまたラクガキしたの?」


あたしの行動を見た樹里が重行に聞く。


「あぁ」


重行は返事をするものの、樹里に近づこうとはしない。


「そういうの好きだよね」


蕾の言葉にも苦笑いを浮かべている。


その様子にいち早く異変を感じ取ったのは一樹だった。


重行はいつでも樹里たちの近くに立っているのに、今日は近づいてこないからだ。


「どうしたお前。なにかあったのか?」


「いや、別になにも」


慌てて返事をしているが、それでも近づこうとしない重行に一樹は眉間にシワを寄せた。


いつもの腰ぎんちゃくの様子がおかしい。


いつものように媚を売ってこない。


それは樹里にとっても面白くないことだったようだ。


樹里は席を立ち、重行に近づいた。


「ねぇ」


樹里が話しかけた瞬間、重行はあからさまに教室から逃げ出したのだ。


「えっ」


樹里は呆然として立ちつくす。


「なんだあいつ」


一樹は眉間にシワを寄せたまま、呟いたのだった。