この物語は幼なじみの遥馬と風夏が長年の月日を経て恋が実るが
風香の持病が悪化して亡くなるという物語


クライマックスには遥馬が風香に本当の気持ちを伝えるシーンがある


遥馬
「……俺!風香が死ぬのなんてやだよ!
いつも通り俺を元気付けてよ!」


風香
「ばかだね…もうすぐ死ぬ人に元気付けてって
遥馬が私を元気付けてないと私もっと早く死んじゃうよ」


このシーンは俺から水瀬をそっと抱き寄せるシーンだ


ガッツリハグをする訳じゃないから包むように腕を回す


しかし水瀬は


【ギュッ!】


思い切り抱きしめてきた


………なんで?


見る人からすると遥馬がウブだから強気な風香が無理矢理抱きしめてリードしているかのようだったけど


予定ではそうじゃない


そして


風香の持病が悪化した最後の夜



遥馬
「……俺、風香が死ぬ前に伝えたい事がある」


風香
「どうしたの?」


遥馬
「俺…風香の事が好きだ」


風香
「……こっちに来て」


水瀬は俺の顔を両手で持って


心臓の音を聞かせる


風香
「すぅー………聞こえる?私の心臓の音……
……すぅー……遥馬と生きるために……
……まだ動いてるんだよ?」


遥馬
「……風香」


風香
「……遥馬……大好き」


水瀬は涙をポロポロと流す


す、すごい…こんなに涙を流すほど水瀬は感情的になっているのか……



俺は台本通り風香を抱きしめる


遥馬
「ありがとう……」