学校の最寄りに着いて歩く途中のこと


「にしてもひまわりのやつ、なんで周りに沢山人が付いてくるってのに俺に構うんだろうなー」


何気なく雪乃に聞いてみる


「あんたそれ本気で言ってんの?
何年ひまちゃんと一緒にいんの?」


責め立てるように雪乃に言われる


「わ、わかんねーもんはわかんねーよ!」


「頭悪っ」


「そんな言い方しなくてもいいだろ!」


「んーーそうだなー例えるならー」


雪乃はしばらく立ち止まる


「ほら、子供の頃、父さんが私の髪を実験台にしまくってめっちゃ短くされた時あったじゃん?」


「あーそんなことあったなー」


あの時は確か雪乃も小学校になりたてだったよな


髪を短くされて大泣きしてたような気がする


「それと同じで今は短いの絶対いやなの
子供の頃の嫌な記憶とかトラウマとかはどうしても残るもんじゃん?」


「んまー確かにな」


「ひまちゃんも、両親が忙しくて家で一人で寂しいから学校では友達いっぱい作って人と居る時間を増やしてるんじゃない?」


「なるほどなー」


人と居る時間を増やしてるかー


「んで、風馬のことを構う理由なんだけど」


雪乃は俺のおでこにデコピンする


いちいち痛てーな!


「なんだよ」


「自分で考えて下さい」


「は!?」


肝心なことは何も言わない雪乃


なんだよそれー!!!


まあ人の気持ちみたいのは自分で確かめるべきか