ひまわり母
「あ、そうだ、風馬はやっぱ美容師志望なの?」
ひーママが無理矢理話題を変えてきた
風馬
「そうだよ」
ひまわり母
「すごいね、よっぽどお父さんが好きなんだね」
風馬
「いや、父さんは関係なくて普通にやりたいだけだよ」
ひまわり母
「あら、そうなの?」
雪乃
「風馬の場合コミュ障を直さないとねー!」
風馬
「う、うるせーな!」
雪乃
「その点で言えばひまちゃんの方がコミュ力あるし
向いてるんじゃないの?」
ひまわり
「やらないよ」
ひまわりは間髪入れずに答える
ま、まあひーママがやってた仕事はやりたくないだろうしな
ひまわり母
「ひまわりは?何か将来やりたいこととかないの?」
ひまわり
「………ないよ」
ひまわりは更に表情を曇らせる
やりたいことないわけないよな?
風馬
「ひまわり、お菓子作るのめちゃくちゃ得意じゃん」
ひまわり
「………え」
雪乃
「そうじゃんひまちゃん!
さっきもケーキ作ってたけどすごくおいしかったよ!」
ひまわり
「あ、ありがと」
ひまわりも少し戸惑うような返事をする
でも少し嬉しそうな顔をしている
よかった、あんな暗い顔ひまわりには似合わないからな
ひまわり母
「ひまわり、お菓子作るの得意だったの?」
ひまわり
「…………」
ひーママが何気なく聞いた一言に
またひまわりはどっと悲しい顔を浮かべた
お、おい、なんでそんな顔するんだよ……
ひまわり母
「ママ知らなかったよ〜ひまわりがお菓子作ってるなんて
今度食べさせてよ」
ひーママは悪気なさそうにひまわりに言うが
ひまわり
「私がお菓子作ってること知らないのも、それを食べないのも
全部ママがそうしてきたことじゃん」
ひまわりは込み上げるような悲しみで涙を浮かべる
そう言われてひーママも少し戸惑いを見せる
風馬
「……ひまわり…?」
ひまわり
「私がいつ友達の話したの?したことないよ?
聞いてくれないんだもん!
なんで今更改まって私の友達見たいとか言うの?」
ひまわり母
「………」
ひーママは何も言えずに固まる
ひまわり
「お菓子だって作ったことあるよ?
食べてって言ったことあるよ?
それなのにパパもママも食べてくれなかった
ふーまとふーまの家族は食べてくれたのに…
おいしいって食べてくれたのに
なんで私は自分の家族に何も言われないの!?」
風馬
「……ひまわり、もうやめろって」
ひまわり
「私、パパとママの家族で生まれて幸せだって感じたこと1度もない!」
ひまわり母
「………っ!」
ひまわりの一言はひーママの心を突き刺すようだった
ひまわり
「…………」
ひまわりは俺ん家から飛び出すように出ていった



