『こんにちは』
『・・・』
『今日も遊びましょ?』
リンはそう言っていつも遊んでいるお友達に声をかけました。
その友達は声を発しません。
けれどリンには伝えたいことがなんとなくわかっている様子でした。
『そうね、じゃあ今日はお友達をたくさん呼んで追いかけっこするのはどうかしら』
『ありがとう、じゃあ呼んできましょう』
『またあとでね』
リンは駆け足でその場を立ち去りました。
友達を大急ぎで呼びに行ったのです。
けれどこの森はとても暗いし、道はないので、前に進むのは一苦労です。
でも、色とりどりのキノコが蛍のように淡く光って行先を照らしてくれています。
『早くしなきゃ』
『時間がもったいないもの』
でも、あまり急ぐものですから足を滑らせてしまいました。
リンは気を失ってしばらく眠っていたのです。
『んー...私、何してたっけ?』
リンが目を覚ましたのはしばらくたっていました。
『そうだ、友達を集めてたんだ!』
そう言ってからリンは走り始めました。
でも不思議と友達は誰ひとりといませんでした。
しょうがないので待ち合わせ場所にリンは歩きました。
『きっとほかのお友達を集めて待ってるわ』
けれどその待ち合わせ場所には誰もいません。
『どうしたのかしら』
リンは初めて不安になりました。
友達が周りにいないことがとても不安で怖くなりました。
『みんなどこに行ってしまったの?』
当然答えるものはいないものですからリンはますます不安になりました。
それからしばらく待っていても誰も来ません。
『はやく帰ってきて...』
でも誰も帰っては来ません。
とうとうリンの目からは大粒の涙が込み上げてきて一つ、また一つと頬を伝って地面に落ちます。
けれどリンの涙を拭うものはいないのでリンは泣き疲れて眠りました。