もうひとつのILoveYou

あれから拓哉は諦めたのか出没
しない。やっと平静を取り戻した
ミクは仕事に集中出来る様になった。

「考えたら独身もいいかもー」
無理に結婚なんて・・焦り過ぎか!
なんてミクは、考え始めていた。


「拓哉、飯行くぞー」

勝成は性懲りなく誘って来る。

「嫌、俺はいいからお前ら行け‼」

「ふー、悪かったよ。
早く仲直りしろ、押せ押せで
行けば、拓哉のルックスなら
直ぐ落ちるさ‼ な‼」
勝成は軽く言い放っ‼

「もう、ほっといてくれ、
俺も誘惑に負けたんだ、
それくらい の軽い男なんだよ。」
可也の落ち込み様に勝成も多少
気分が落ちる。

「よし‼ じゃあ俺達が謝る
お前は帰るって言ってたん
だからな

俺達の責任は大だ‼」


「もうほっといてくれ💢」
拓哉はぶっきらぼうに言い放つ。


じゃあ景気づけだ
お前のお気に入りの
アキちゃんも飯に行くんだぞ
な‼ 気、取り直して行くぞー」

「ん?お気に入り?
お気に入りってナニ?」
不審な顔をして拓哉は勝成を
デスクに座ったまま、見上げた。

「いやアセアセ 、ほらアレだ、アレアレ
可愛がっている後輩ってとこだ‼」

アキが向こうから手を振っている。
確かにアキは大学の後輩だった。
仲が良いのは大学の延長‼

渋々腰をあげた。近くの和食店に
入る。アキと俺と勝成と企画の子
4人席に座る。

アキは受付にいる大学の後輩だ。
「拓哉先輩、今度映画行きましょう、見たいのがあるんですよぉ」

「ああ」

「わァ〜嬉しい。約束ですよ。」

「ああ」

こんな会話中もピアノの前で
別れ〇曲を弾くミクの姿が思い
出される。
白いレースのワンピースから覗いた肩までキレイだった。

ツンツンツンツンと重をつつき
ながらミクを恋しがる。
鰻重の上にはまだ減りもしない
まったりとした鰻が乗っている。

「食欲無いからアキ食べて‼」

「えー・´д`・。アキこんなに食べれ
なーい。」

とカワイコぶって言うアキを見ながらミクだったら
大喜びで、ペロリと食べるん
だろうななんて思ってしまう。

「はあ〜ッ」

今日何度目の溜息なんだろうか‼

・・・・・はぁ……
こんな状態が毎日続いた。

更に一週間が過ぎて季節は4月を
迎えていた。

桜の花が満開で薄いピンクが
街を覆って行く。
ミクの事を諦めて2ヶ月近く経って
いた。

色んなオンナと遊び夜を明かした。
勝成が設定する合コンはあの日が
最後と言いながら何回も続く最後が見えない合コン?

しかし心は荒み、楽しくも無い
俺から次第に笑みが消えて言った。
会社の人間にも気を使わせる程
痩せて、栄養剤で生きている
ようなものだった。

恋の病とは良く言ったものだ。

勝成の合コンも行くのを辞め
仕事仕事の生活になって行った。

「アキ頼むよ!
拓哉を元気づけてくれ、
このままじゃあ困るんだよ!」

勝成はアキと拓哉をくっつける
良いチャンスと思っていた。

2人が結婚迄行けば自分はミクと
付き合える!絶対落とす自信が
あった。

拓哉が諦めないうちは手が出せ
ない。

そんな事をすれば裏切り者の
レッテルを貼る事になる。
ミクに心底惚れているのは
拓哉ばかりじゃ無かった。
勝成も一目惚れ❤

アキをその気にさせたら、
拓哉もなあなあではあるが
アキに手を出すだろう。
アキが目出度く、ご懐妊にでも
なれば、思い通りだ。

勝成もミクの弾くピアノにも釘付けにされた、揺れる髪、綺麗な肩
透き通るような白い肌

流暢なピアノを弾く姿はまるで天使💘勝成はミクを手に入れたくて仕方が無い‼

たとえ、親友の元カノだとしても・・・

裏切り行為だとしても、この
気持ちは抑え込めない!

ミクが欲しい。
親友と同じ女に惚れてしまうなんて今迄無かった事だ、趣味も違うし、好きなタイプも違っていた。

ああ、一つだけあるとすれば
女の子と遊ぶ・・・。

アキを利用する事を思いついたのはアキが 拓哉を好きな事は見ていて
分かる。

しかし拓哉は後輩以上の感情は
持っていないのも良く分かる
ならば俺がアキを応援する、
そうアキに話したら、
凄く嬉しそうにしていた。


拓哉を幸せにしてくれ、勝成は
アキにそう頼んだ。

アキは眩しい笑顔を満開にした
桜の様にも見えた。




俺(拓哉)は街を歩いていた。
すると浮浪者風のジーさんが現れた。
古びた帽子を被りヨレヨレのシャッを着て、ズボンもそれ風に
傷んでいた。
近付か無いように離れていたのに
爺さんは近ずいて来た。


「あんた」

「はい?」

俺は咄嗟に答えた。
爺さんは、白い髭を撫でながら
日焼けした浅黒い肌で、
俺をニヤリとして見た。


「アンタは折角ツインレイと
会ったの に 離れたんじゃな!

何億年ぶりに会えたツインレイを手放したからそんなにつらいんじゃ

普通の女との別れじゃないんじゃ
だからボロボロなんじゃよ。
バッカじゃのう~」

ジ━━さんは哀れみながら
髭をさすり目を細め又

「ほんまもんのアホじゃ〰︎〰︎w」



「は?なんの宗教?」

爺さんはカゲた歯を見せながら

「ハハハハハ
宗教?、そんなんじゃない!

魂は半分に別れ成長した後又会うように出来ているんだ。

長い長い時間をかけてな‼

今離れたら又何年後に会えるか
分からないぞ‼ いや、
何万年か?
魂は知ってるんじゃ、だから
苦しいんじゃよ。」

「・・・・・・ツインレイ?
ツインレイ?そんな事はあるの
か?」

「あるぞ、お前がボロボロなのは
そのせいだ・・・
普通の別れとはちがうんじゃ

いいか人は繰り返しの人生で、
ツインレイと会うため
生きて行くようなものだ。

お前が知らずとも魂の受けた傷は相当な打撃さぁなぁ」


「なんで俺にそんな事を教えて
くれるんですか?
じゃあどうしたら良いか
教えて下さいよ」

「知らんよ。
声をかけたのはアンタが知ら無いから教えてあげたんじゃ。
ボランティアじゃボランティア
ハハハハハ
魂の出会いってやつかなあ
アンタが余りにも哀れだからって のが本当の理由さ。
ハハハハハ

喧嘩したのなら誠心誠意謝る
事。本物のツインレイなら
心は、お前さんにあるからなぁ

それに魂が離れる時、約束をしている、必ず見つけてねってな‼

そしてお前さんは必ず探し出す
そう約束をしているんだよ。

だからそんなに苦しいんだ。
ツインレイはただの女じゃない‼

分けた魂の半分なんじゃ

一度離れたらいつ会えるか分からん
気の遠くなるような時間を
過ごすんじゃ。

そう、気の遠くなるような何万年
いや
何億年後、会う約束したのが
今だったかもしれんのう。
だから苦しくてたまらんのじゃ‼」


まあ、そのうち相手も気づく・・・
手遅れになる事がなければのぉ

ポツ𓏲𓇢𓂅🌪。


アレ?
回りをグルりと見渡してみるが
爺さんの姿は消えていた。

「あれ?白昼夢?
幻想か?」

拓哉は不気味さも感じ無かった
事を不審に思った。

その時だけ時間が止まったよう
な気がした。

なぜなら、爺さんが消えてから
街の音が全開で聞こえて来た。車の音、人の話し声街のあちこちで聴こえる音楽🎶

そして耳に残る “ツインレイ?“

俺はネットで調べた
初めてスピルチュアルにふれた。
ソコにはありとあらゆる信じがたい文章が並んでいた。

「フッ、まさかそんな事は
ある訳無いだろ!」

『お前さんがボロボロなのは
折角会えたツインレイと
離れたからじゃ。
だからそんなに苦しいんだよ。』

苦しい?苦しいのか?
だから食事も取れず、ガリガリに
痩せてたのか!ズボンもストーン

パンツもストーン中身がボロン

席を経つ時必ず腰に手を当てる。
人前で流石にボロンは出来ない。

服を買いに行く事もせず、頭が
回らなかったのか?

鏡で自分を見た。
ウワッ・・・コワイ😱
まさに亡霊のような青ざめた
俺がズーンとしたように立っている。

最近アキも寄り付かないハズ


思い切ってミクに連絡をしてみる。
爺さんの言うツインレイなら
向こうの魂も俺を探しているはず
妙な自信が頭をもちあげた。

♪♬♪♬♪♬♪
『もしもし、💢』
久しぶりの電話にミクは怒っている
様な声をだした。

「・・・・・・ミク?」
『・・・』

「苦しいんだ、苦しい‼」

『エッ?どうしたの!』

「苦しい・・・
苦しい・・・助けてくれよ。」

『エッ・・・‼直ぐ行くから待ってて‼』

付き合う前連絡先を交換した。
その時有名なタワマンに住んでいる事もミクは、聞いていた。

息を絞り出すような
弱々しい声に何も食べて無い様子
が何となく分かった。

スーパーにより買い物をして
タクシーを捕まえ拓哉の
マンションに着いた。

『あの・・・着いたよ。』

エントランスのコンシェルジュに
話してあったようで
ホテルのような内装を眺めながら
拓哉の部屋に着いた。

中から誰?
と思う様な風貌の男が現れた。

ヒッ短い悲鳴をあげると


ミクは3歩引き下がった

「た、拓哉?生きてるの?」

亡霊の様に血の気が無く、何故か
ズボンを引き上げながら拓哉現る。

「ミク・・・」
一言呟くとドンとミクの方に
倒れて来た。

スエット姿でズボンはゆるゆる
見る影もなくなった拓哉は、確か拓哉だった。

目は窪み、頬はコケて栄養剤の瓶がゴロゴロとテーブルの上には錠剤がコロがっていた。

ミクはとりあえず病院へ連れて
行こうと着替えを見る、しかし
どれもダボダボ、拓哉の着替えに
唖然。

弱々しい拓哉の手を外そうとしたが
なかなか外れない!

「あの・・・離して、でないと
何も出来ないんだけど。」

「ミク・・・許して下さい。」

「エッ‼」
「許して・・・ミク‼」

眠いのか?力が無いのか、拓哉は
目を瞑り干からびていた。

アジ🐟の開きのような胸

イワシの干したような姿。
カラッカラ!


ミクは拓哉が眠ったのを確かめ
お粥を作ろうと米を探す。

無い・・・米が無い。
仕方なく、買って来たパンを
コーンポタージュに浸しパン粥を
作る。

力ない拓也を起こす、すると元気無く
拓哉はつぶやく。

「食べて無いんだ・・・
いや食べれないんだ。」


「 いつから・・・。」
ミクは囁くように聞いた。


「わからな・・・い。」


キッチンは使った様子もなく
鍋も無いし、調味料もない。

その代わりワイン、
ミネラルウォーターお酒は
い━━━━━━っぱいの品揃え。

ビールのカンも袋に、ドドーンと
つまれている。
ゴキちゃんもソソソー
今日は生かしといてやるが明日は
バルサ〇をたく。

ミクはニンマリとしてキッチンの
灯りを落とす。

臭い、酒の匂いが臭い異臭に
近い。

「拓哉、拓哉、起きて
ご飯だよー。」

ミクに起こされてる?
薄目を開けて声のする方を見る

「ミク、ごめん、ごめん。」

「もういいよ、
こんなに痩せちゃって
パンがゆ食べて、夜は美味しいの
作るよ。」

「うん・・・うん。」



それから一週間拓哉は
体調不良で休んだ。
ミクは拓哉の部屋から仕事
に通った。

バルサ〇をたき、カンを集め
ゴキブリ退治‼
きれ━━━━━━イに掃除をした。




一緒に生活を共にしていると何となく情が湧いて来るから不思議。

夕飯の買い物をして帰ると拓哉が
待っている。

季節柄、花柄のエプロンを付け台所
に立って料理をする。
拓哉もスッカリ元気になり元の
イケメンが復活して来た。

すると性欲も、徐々に復活して来た
みたいで、痩せゴロの拓哉とあろう事か、関係を持ってしまった。


性生活が送れる程拓哉は回復
していたのかーヤラレタ

ミクは、ご存知の通り彼氏は
高一の始めちょっと付き合って
いただけなので
男性経験ゼロがばれてしまった。
ついでに慣れゆきで
拓哉に・・・捧げてしまった。

勿論女遊び常習犯の拓哉には何もか
もバレバレで、拓哉は驚いていたが、嬉しそうにしていた。

永遠の処女でいるつもりは無かったし、デモ、歳下の拓也が憎たらしくなるほど痛みがあった。

ぐっすり寝ている拓哉のデコちんを
《《パチン》》と叩いてしまう。

「拓哉のせいで・・腹痛‼」

拓哉は思いを達成したせいか
憎たらしいほどスヤスヤ

「クソッ」
おケツをパチン

拓哉はそれにも動ぜず
グースーピ.zzzZZ

それから二、三日して
拓哉も元気回復して、会社に復帰
出来る様になった。

ミクも、もう自分のアパートに
帰るつもりでいた。


「オー拓哉の快気祝いやろうぜー」
又例の掛け声で何人も集まる。

「いや、俺は家に帰る‼」

「キャーじゃあ皆で鍋しましょう
よ‼」

アキの一声で皆で押せ押せムード
て断れなかった。

アキがスーパーで買い物を済ませ
仕方なくマンションへと6人で帰還
唯人、潤一、勝成、敦、にアキに俺

ミクに連絡するが出ない。
仕方なくライ〇をおくる途中
ミクがカードキーを使い帰って来た。

「拓哉ーおもーい‼
はこ・・・ん・・で?‼」

リビングには鍋の用意がして
ありミクは目が‎( ⊙⊙)!!
ミクは急ぐあまり携帯を
チェックしていなかった。

ミクを見た全員の目が集まる
拓哉は頭をカキカキ‼


ミクの手作りのエプロンをつけた
アキが、
「アラッ、あなたは確か会社に
来た人?ですよね。
ストーカーふうな感じで‼」

えーえーっ
拓哉も交え全員が声をあげる。

「あ、ああ、ストーカーなんて
しませんよ。
あ💦ああ

すみません、お邪魔でしたね。
帰ります。
あのこれ、冷蔵庫にお願いします。」

エコバッグをアキにさしだし
空気をよんでミクはアパートに
帰ろうとした。

「まて、ミク‼」
バックを持つミクを拓哉が止める。

「いやミクは帰るな‼」
「え、だって。」
ミクは、どうしていいのか分からない
多分会社の同僚さん達だろう。
自分がいては盛り上がらないん
じゃないか?
そんな雰囲気が感じとれた。



「そ、そうですよ。
なんだぁお知り合いだったの?
誤解してましたよー

一緒に拓哉さんの快気祝い
しましょうよ。ほらほら
座って下さい。」

そういうとアキは拓哉の横に座った。
気がつくと、鍋はグツグツと
音を立て煮立っていた。

クーラーを聞かせた鍋は又格別。
皆酒が進んで拓哉も久しぶりの
アルコールに気分を良くしていた。

ミクは何となく
疎外感を感じながらもニコニコして
座っていた。

6人は会社の話で盛り上がり楽しそう
話が見えないし、ついていけない。

ミクはシラケさせないように
頑張っているのに何となく、
帰れみたいな
アキの視線に戸惑ってしまう。

アキは拓哉の後輩で仲がいい事
会社でも仲良くしている事を
皆で話していた。


拓哉もさほど気にして居ないようで
ミクはなんか寂しくなっていた。

ベッタリと張り付いたアキに嫉妬もする、自分が小さく見えて、
居た堪れない。

疎外感が半端ない、浮いている感に
耐えられなくなったミクは

「私ちょっとコンビニに・・・」

「はぁぁーい。行ってらっしゃーい」
アキは浮かれた声で返事した。

「あ‼そうだ、甘いの買ってきて
ケーキとかデザート系が
食べた━━━━━い。
ね、拓哉さん。」
アキは拓哉に、甘えた声をだす。
フゥー
成程女の子はこうでなくちゃ!
急に冷めた気持ちになる。

「分かりました。」

凄く年下のアキにお使いを
頼まれたのに拓哉は話が
盛り上がり気づかない。

「まぁ、主役だし仕方ないか?」

ミクが財布を持って立って
行ったのを勝成が見ていた。

拓哉がトイレに立つたのも勝成が
見て唯人と敦と潤一に帰るぞ
と合図をした。

アキに目配せをしてゾロゾロと
マンションを出て行った。

「あれ!皆は?」
トイレから帰った拓哉がアキに聞いた。

「ん、コンビニじゃない。
ご飯たべる?炊いてあるよ。」

アキはキッチンを眺めながら
ミクの炊いたご飯をさも自分が炊いたように言っていた。

「あー色々あるね。
料理するんだァー以外‼」

アキはキッチンを眺め冷蔵庫を開
けながらそう言った。



「DVD見るか?
何がいい?お笑いもあるぞ‼」

そう言うと漫談のDVDを入れた。

キヤハハハ (^∇^)アハハハハ!
「可笑しいね面白〜い。」

ミクがデザートを買ってきて
部屋に入ると拓哉の背中に
ベッタリと張り付いて、DVDを
鑑賞する、拓哉とアキがいた。

「拓哉買ってきたよ。」

「おう‼ ご苦労さん。
有難う。」

「ヤッターモンブランがある。
ミクさんは何たべる?」

「いえ、私はいりません。」

「おっ‼ ドカ食いのミクが?
珍しいな‼」

「えっ、そんなに食べるの?」

「うん、食べる、食べる
アキの3倍は食べるだろうなーァ
痩せの何とかだよ。
あんな食べるのに綺麗だろう。」


「えーやだぁ、像みたい‼」
アキの一声に
(^∇^)アハハハハ!何それ
拓哉はぶっと吹き出して大笑い。

(*≧∀≦*)キャハハキャハハ
アキもつられて大笑い。


ムカムカイライラ
「えと、アキさんは帰らないの?」

「え、帰りますよ、皆が帰って来たら、 ミクさん気にしないで、先に帰って いいで すよ。」

アキは早くミクを追い出したい様だ。

ミクは片付けを始めた。
テーブルの上はアキのコップと拓哉のコップと皿
残りの鍋とデザートを残して綺麗に
かたずいた。

拓哉は飲みすぎたのかソファーに
ゴロンとなり、スヤスヤと寝息を
立て始めた。

拓哉の寝息を確かめたアキは、
フッと振り向き睨みつけながら

「ねえミクさん・・・
いい加減気づいてよ!
皆帰ったのよ‼ 💢
私と拓哉を2人きりに
してくれたのよ。
分からないの?

何時までいるの?
なんのつもりいやらしいギロ」

「えっ‼」

「見ててわかんないの?
拓哉は私といたいのよ‼
ずっと私といたでしょ!
あなたなんか気にしてないって。
おばさん。」



「えっ‼」
アキの流暢に流れ出る文句を、
グサグサ胸に突き刺されながら
聞いていた。


「だってそうじゃない。
私と拓哉の仲を知ってて
邪魔しに来たんでしょ

拓哉も病気だったから
おばさんを頼ったって言って
笑ってたんだから

すぐ飛んで来てくれたって!
利用されてるだけよ‼」
アハハハハアハハハハアハハハハ


「そうだったんだ・・・」

「アハハハハ(^∇^)アハハハハ!
可笑しい、いま気づいたの?ー
ミクさん鈍感過ぎ‼」

ミクは何歳も下のアキに馬鹿に
され、自分が拓哉にしがみついてる
ように思われ、嫌な気がした、

「そうだよねぇ﹏
貴方に構ってばかりだったし
そうか‼
気づかないでごめん。
拓哉を宜しくね。」


「ハイハイ、り‼ 早く帰れ‼」

そんなアキに追い立てられ
ミクは悔しそうにしながら
マンションを出た。
何もミクが出る必要は無いと
思ったがアキは、ヤる気満々だ。

アキと拓哉はアキが言うように
ずっとピッタリくつっいていた。

一夜の情事を本気にする程自分は
男に飢えていたのかも知れない。

拓哉はホントに利用したのかも
知れない。

そしてミクに分からせる為
ミクの前でアキを抱くつもり?
何だろうか?
そんなの耐えられない。




「うーん‼」
力いっぱい背伸びをする。
アレ?

朝目が冷めると、隣にはアキが
下着姿で小さな寝息を立て
眠っていた。


「エッ・・・アキ、アキ?
なんでお前が寝ているんだよ‼」


アキの体を揺さぶって起こした。

「ん〜ン眠い.。oO眠ぃ…

「眠いじゃないよ‼
なんでお前が寝てるんだよ‼」


「 拓哉ぁ〜ファおはよう。」
アキはフアーと欠伸をしながら
拓哉に寄りかかった。

「なんでお前がいるんだよ?
ミクは?」

「ああ、おばさん
拓哉が私に迫って来たから
帰ったよ。」

「俺が・・・お前に迫った?
嘘つけ‼お前に欲情した事なんて
ないぞ‼」

「本当の事を言え‼
なんで俺のベッドにいるんだよ‼」
拓哉は怒りが込み上げてきてアキを
睨み付けた。

「エッ・・・え‼
怖い‼」

「誰のさしがねだ
言え━━━━━━━━━つ‼」

ギロリと睨みつけた拓哉の目にビビりながら、今までとは違う拓哉の突き放した態度に恐ろしくなり

「ご、ゴメンなさい。

勝成さんが私が拓哉を好きだと
知って、協力してくれたの
好きなの‼

大好きなの・・・あんなオバサンに
負けたくない‼」



「はぁーああぁぁ、勝成か‼
アイツか‼」

「拓哉‼」
アキは下着を脱いで、裸で抱きつい
てきた。
バアアアーン
拓哉は思いっきり跳ね飛ばした。

「もう、俺に顔を見せるな!
お前が憎い‼

「えっ」
聞こえ無かったのか?
コ〇すぞ!」

ジッと睨んで目を離さない拓哉が
恐ろしくなりガタガタと震えながら
アキはマンションを飛び出した。

ガンガンガンテーブルを
叩きつける拓哉がいた。

「折角、ミクと仲直りしたのに
元の黙阿弥だ‼」

ただの後輩と言い繕っても裸で
寝たんだ。
ミクも見ているはずだ‼


フラフラと風呂場へと足を進めた。
もうミクは帰って来ない。
生きる気力もない。

俺たちはツインレイじゃ
無かったのか?
何十万年の再会のハズなのに・・・



「拓哉」
拓哉の体は硬直して止まった。

「拓哉」

バッと振り向くと優しい顔をした
ミクが笑いながら立っていた。

「ミク、ミク、ミク
これ以上ない力でミクを抱きしめ
た。」

「私も拓哉の口から聞くまでは
信じれ 無くて確かめに来たら、
彼女を問い詰めていた
拓哉を見たの・・・
良かった。」

「ごめん、ごめん、アキの企みも
見抜け無くて、もうマンションには
ミクしか入れないから。
一緒に住もう。
もう出て行かないでくれ。」

ミクはニコニコしながら頷いた。