もうひとつのILoveYou



その日からミクは準備を始めた。

「もしもし
てんとう虫運輸さんですか?
ゴールデンウィークの引越し
何ですけど、はいはい。
じゃあ宜しくお願いします。」

悲しいかなミクの荷物は軽トラ
で間に合うくらいだ。
結婚してから全部拓哉が揃えて
くれた。

「拓哉普通のレンジで
いいよ。」


「ダメダメ‼料理好きの
ミクなんだからちゃんと機能
が付いてないと。」


「普通の掃除機でいいよ。」


「ダメダメ、仕事終わってから
の掃除は大変だよ。
これなら自分で動くし
楽々。」

洗濯機もボタンひとつで出来上がる干さなくていい乾燥機付き。

あの頃は私を大事にしてくれた
ちゃんと愛されてたなぁ。
だからあの時の拓哉に戻ってくれる事をミクは願っていた。
最終手段の離婚は避けたかった。

あの離婚騒動と同じ繰り返しの、
思いつきの離婚ではなく
良く考えて決論を出したかった。


「奥さんいいなぁ
拓哉とずっと居れるし。
ちょっとヤキモチ妬いちゃう。」

「ハハハ今は、家庭内別居状態
最悪な仲だよ。」

拓哉はその日も葵と外食をして
葵の部屋に帰っていた。

葵の部屋は、縫いぐるみが沢山飾られていて、女の子 って感じ。
ソファーも2人がけの可愛らしい
猫ちゃん風。

ミクの落ち着いたレイアウトとは
随分違っていた。


「えっ、なんで?」

葵はベッドの中で拓哉に
抱かれながら、目をパチパチ
させた。


「言っちゃったんだよね〜

年寄りって言い間違えたんだよ
年上って言うつもりが
アハハ年寄りって。」

「あらら」

「まだ怒っててすげー怖い」

「そりゃあ奥さん
怒るよ。」

「葵と比べたりしてたから
つい口から出たのかも
葵がかわいらしいからサ。」
ꉂハハハハ

「酷いんじゃない!
年寄りって
プッꉂギャハハハ
女は歳、一番気にするんだから
私も高校生と比べられるの
嫌だもん。」


「高校生って、無いだろ!
子供と比べられんの?」

「うん。凄く嫌だもん。」

「葵、可愛いチュッ」

「もう、拓哉ー❤❤」

そして甘々な拓哉は又葵の若い
肌に溺れていた。

「なぁ葵ここ狭くない?」

「そうかなあ笑」

「マンションでも買うか?」

「えーっ‼ホント
〃嬉しい
ありがとうw
たのしみぃ~
じゃあ旅行から帰ったら
直ぐ探そうよー」

「ああ、そうするか‼」

拓哉は葵と過ごすマンションを
買う事を決心していた。

以前からパンフレットを集めて
葵を驚かそうと密かに楽しみにしていた。
可愛い葵に何かしてあげたくて
たまらなかった。

そんな会話をしているとも知らず
ミクは、寝ようと思い
一人部屋の布団に潜り込むが目は爛々として眠いのに眠れない。
拓哉が何処で何してるか知って
いるから・・・


ミクの最後の 晩餐を断り拓哉は
やはり葵と繋がっているのだろう。

夜0:00時、ミクの寝た頃を見計らい拓哉はミクの待つマンションへと帰って行った。

ソロリと静かにドアをあけ、
そそくさと部屋へ滑り込む!
ドアを閉めるとホッとして
ニヤニヤしながら携帯を開く。

前に撮った写真は酔っ払って
消したとしか思えない。
全部削除していた。

しかし今日、又タップリ撮った写真がある。弾けるような葵の体
明日から楽しみな旅行

いやらしい事を想像しながら
眠りにつく。

その後にミクが寝室に、
来る事なんか全然予想して
いなかった、なんて馬鹿なんだ。

パンフレットも
マンション購入計画もミクには
お見通しだった。‼
ベットの布団の中に箱に入れて
大事そうに隠してあった。

ミクの最終的に離婚を決断した
理由の一つだった。


「拓哉おはよう」

Σ(꒪◊꒪ ;)あ、あああ
「おおおおは、おはよよう。」
部屋からコソコソ出て来た拓哉に
声をかけた。

「拓哉ヤッパリ行くんだー。」

「ああ‼土産買って来るから
良いだろう。」
ブスッと不貞腐れて玄関へと向かう
拓哉に行き先を聞いて見る。

「何処?」

「えっ‼ミク・・・なんで?」
ずっと行き先を聞かなかったのに
今頃行き先を聞いてくるとは
思わなかった拓哉は少し動揺した。

「何処に行くの?拓哉は?」

「ど、Σ(꒪◊꒪ ;)エッ、 エッ、エッ ?
どこだって良いだろう
バスに乗っての、
お、お楽しみだよ。」

ミクは最後に拓哉が行かないと
言う賭けに出た、わずかな希望を
抱いて。

「明日はなんの日」

「子供の日、じゃあなバイバイ👋」

拓哉はスッパりと切り捨てるようにトラベルバックを引っ張り
出て行った。

拓哉がマンションを出ようとしたらてんとう虫運輸の軽トラックと
すれ違った。

「おひとり様引越しか‼
一人は楽チンだな‼ 羨ましー」

軽く笑いながらマンションを
後にする。

魂の俺は拓哉の前を遮り
引き返せ、引き返せ‼
早く引き返せ、ミクの引越し
なんだぞー
それに五日は、結婚記念日なんだぞ‼

拓哉思い出せ、拓哉、拓哉‼
そう叫ぶが拓哉には
聞こえていない。



拓哉は浮かれながら・・・
本物の馬鹿なんだ俺は、
魂の拓哉は頭を抱えて
座り込んだ。

どうにかして拓哉の体に
戻りたい、タイムリミットは
今なんだ。
今なら未だミクは許してく
れるのに、

「ああ〜もうダメだ〜」
一気に絶望の波が押し寄せてくる。

フラフラとマンションに帰ると
ミクはキッチンにもたれかかって
泣いていた、余りの可哀想さに
俺も泣いた。

「ミク、ミク、ゴメンよ。
ゴメン、うっうっ本当に俺は
馬鹿なんだよ。

ミクの事こんな大事に
思っていたなんて、すまない
今更気づくなんてミク
今ならハッキリ言えるよ
愛してるのは君だけだ‼」

ぅぅぅ ううう


拓哉はすすり泣きながら
ミクの背中を慰めるように
ピタリとくっついて上から下へ
優しく優しく撫でた。

「えっ、拓哉?」

「・・・・・・?」

「た、拓哉・・・なの?」

「ミク、見えるのか?」

泣き顔でミクが振り返る、
「なんで透き通っているの?」

「ミク‼怖くない?」

ミクは俺を見ながら頷いた。

「うん、こわ・・・くないわ
拓哉な・・の?」

「そうだよ、拓哉の体に
戻ろうと頑張って見たけど
戻れ無いんだ。」


・・・

無造作に置かれたお茶を見て
「このお茶貰っていい?」
さっき現在の俺に
ミクが入れてくれたお茶を指さした。

「飲めるの?透き通ってるから
溢れないの。」
変な質問だが実体で動いている分けじゃないから想定内の質問だ。

「うん。こぼれない。」


泣顔でミクは
「( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )珈琲入れてくるね。
美味しいの入れてあげるよ。」

そう言いながら俺の大好きな
メーカーの珈琲を入れてくれた。


「飲まないの?」

「いや珈琲の気を飲むんだよ」
俺の飲んだ珈琲飲んでみ
味が薄いし味があんまりしないだろ?

ミクは言われたまま口にする。

「うわぁ本当に味が違う。
元気がないっていうか
味が抜けてるっていうか・・」

「淹れたての珈琲の気を飲んだんだ口に入れて飲んだ味と同じ
香りが芳醇で苦くて閉まる、
ジワジワと魂にしみるよ。
美味い、ミクの珈琲は美味い。」


「そうなんだ。
褒めてくれてありがとう。

ねえ
亡くなった人もそうなの?
気を飲んだり食べたりするの?。」

「分からないよ。
俺は未来の拓哉の魂で今現実には
今の拓哉の魂が体にはいっている
オレ死んだわけじゃ無いし・・でもからだからぬけた魂からしたら同じだから多分
そうだとおもうよ。

ミクの珈琲はホントに美味いな‼
毎日飲んでいた・・・いよ。」

しばらく時間が経つた。


「こんにちはー
てんとう虫運輸です。」

「ちはー
成美だよーん?どした?」

「ああ、荷物纏めてあるから
運んでもら・・ていいですか?」

運送屋さんは新居へと先に荷物を
運んで行った。


「成美、見える?」

「何が?」

「彼が」

「ギエー、まさか幽霊!?
ゴーストマンションだったの?
ミク見えるの?」


テーブルに置かれたふたつの
カップを見ながら
見えない誰かと話し込むミクの
背中のブラウスを引っ張る。

「お祓い、お祓いに行こ
調べてあげるから、ねっミク。」


『ちげーよ!まだ死んで無い‼
強いて言うなら生霊だ‼
拓哉が動いてるから多分・・・
死んでいない。』


「そう、じゃあ、あれは誰、
拓哉の中はだれ?」


「 昔の・・・俺と思う。」

「じゃあ拓哉はいっ抜けたの?」

「ミクの結婚式の日に
自〇しに海へ行ったんだ・・・。」

「えええー!結婚、自〇?
なんで死ぬの!やめてよ。」

「悲しんでくれるのか?
こんなダメな俺なのに・・・。」

「待って、私誰と再婚したの?」

「勝成だよ。
ミクを勝成に取られたんだ。
仕方ないけど・・・。」

「ねえ?ミク・・・誰と話してるの?
ショックで頭やられたか?」




「この後、私どうなったの?」

「この後・・・ききたい?。」
辛そうな彼は、未来を知りたい
ミクの為本当の事を話そうと思った。

しかしそれは、自分に同情を
向けさせる非道な手段でもある。

「ミク、後は自分で、心の
赴く迄生きて、幸せを掴んでくれ。
ただ、俺はミクを愛してる。
酷い事をした、凄く後悔している。

消えて当然なんだミクに命を持って お詫びする。
コーヒー美味かったよ。
ありがとう。」

ミクは悲しそうな拓哉を見てミクも泣いていた。

「ミク、別れる前に約束
して くれないか?」

「・・・何を?」

「もし、今度生まれ変わったら
君が先に俺を見つけて・・・。
そしたら、何もかも上手く行きそうな、気がするんだ。」

「え・・・それは出来る事なの?」

「出来るよ。」

「見つけるだけでいいの?」

「うん、ミクだと直ぐ分かる
から、何億年ぶりにあったと
しても・・・絶対分かるよ。」

そんな遠い未来が来た時
今度こそツインレイとしての
君を大事にするよ。

約束は絶対だ。

俺が君を見つけたように
こんどは、ミクが見つけてくれ。
約束・・・だぞ…ミク‼
か・・・なラ..ズ


「う・・・う…ん。」


う━━━ん(。´-д-)。o○Zzz


「ミク、ミク、起きてよー
ミク‼又、ねむいのか?又寝不足だったのかー
おーい‼ミク」

「ハッ‼ あれっ・・・成美?」
ユッサユッサと成美に揺さぶられ
眠たい目を擦りながら、目を覚ます。

「拓也は?」

「はぁ〜
ミク馬鹿なの?
彼は ウ.ワ.キ.旅行 でしょーがぁ」


「あ……‼ ソッカ・・・だね。」

「どーしたの?ミク、ホントの
大馬鹿なの?
あんた置いて、サッサと浮気旅行にブッ飛んで行った旦那気にすんの?もう‼ ほっとけ‼
やらせとけ!
それ以上は言えないけど・・・。」

成美は、未練がましいミクのしりを叩くつもりで気合いを入れた。


「どうしたんだろうね。
ꉂꉂあははは私
眠ってたよ。」フア〜

ミクは思いっきり腕を伸ばし
背伸びをした。

「あ‼ ヤバっ運送業者の人待ってるんじゃない!
急ごうよー」
成美はミクを追い立てる。

「アレッ‼ さっきのは……夢か?
成美に珈琲いれたっけ?
カップがテーブルに?
2つある?。」


いや、違う、それは拓哉に・・・
拓哉のお気に入りの珈琲カップには拓哉の好きな、珈琲が冷えたまま入っていた。


成美も頭を捻りながら
「あー?飲んだかも?
実は私もちょっと寝てたし
ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)アハハ
分かんないよ!それより行こ行こ‼」

ミクは慌ててカップを洗って
食器棚に戻した。
私が使ってた食器棚・・・

ミクは拓哉との会話を思い出していた。

『今度はミクが、先に見つけて・・・
そしたら今度こそ大切にする。』

『そんなア、ハハハハ…
ー夢よ、夢』

この部屋で過ごした色んな事を思いだした。
「苦労する為に嫁に来たみたい。」
そんな言葉が口を付いて出る。


ミクが部屋を出ようとした時振り返ると、全部締め切ったはずの部屋のカーテンがサワワ、サワワ、サワワ3回揺れた。



まるで拓哉がミクに別れを告げ
詫びるように、そして出て行くミクを見送っているかのように感じた。

さっきのが夢じゃ無いなら
拓哉は後悔しているの?
命と交換するくらいに?

ハハハ、な、事あるか?

夢よ、最近疲れていたから最後に
そんな夢を見たのかなぁ〜

でもリアルだったなぁ〜




「拓哉さーん。」
駅に付くと10人は集まっていた。
勝成家の、10人のりの、
ハイ〇ースワゴン車で、熱海まで
運転はそれぞれ交代。

勝成が運転、助手席に俺
俺の後ろには葵。

「おい、拓哉・・・
携帯テカってるぞ
奥さんじゃね?」

「ん〜かもなーべーつにぃ
いいよ━━━━アハハ」

拓哉は葵のほほを撫でながら
ちょっと不機嫌な葵に
ニヤニヤ
「ふふんふーんヤキモチか?
葵‼」

「葵ちゃん、こんな奴やめて
もっとマシな男探したが
いいって‼」

「そうそうコイツの奥さん
キレイだし、気がきくし
大人。」

「ヤダーァ奥さんの話
しないで下さいよ。
今は葵が彼女
なんですーっε٩(。•ˇ₃ˇ•。)۶зプンプン」

拓哉は葵の膨れっ面をなでなで
「気にするな皆、面白がって
るんだよ。」

「だってぇー
今が楽しければ良いんだよね。
拓哉๑>ᴗ<๑。」

「そうそう。
今は葵が大好きな恋人だよ。
アイシテルよ❤」

「勝手にしろ、このバカップル‼」

「しかし奥さん良く許したなぁ
家に1人だろ‼」


敦が言うと唯人も潤一も

「だよなー」

「可哀想、浮気旅行って
知らないんだろ!お前
サイテー」

「慣れてるって、ミクは〜
親友もいるし
平気だよ。」


そう、拓哉の妻は拓哉の為に
毎日きちんと栄養バランスのいい
食事を用意している。


弁当なんか羨ましいくらいの
工夫がしてあり美味しそうだ。
拓哉は毎日元気だった、しかし
最近弁当は見ない。

拓哉が拒否しているのか?

最近、拓哉は疲れる顔をするようになった、夜は、嫌がった外食も、葵と何食べたここの店に行ったと自慢している。

拓哉の弾けるような若々しさや
元気な姿は、奥さんのお陰だったのだろう。
最近疲れた顔をしている。

しかし身綺麗さは相変わらずで
奥さんがきちんと、
拓哉の事をしているのは
俺達も気の毒に思っていた。

美人で可愛い奥さんなのに・・・

愛妻家だった拓哉がまさか、まさか本気な浮気に走るとは思わなかった。
あの日はただ息抜きに誘っただけだったのに。

そう拓哉の彼女に一目惚れ拓哉の為に彼女を俺は諦めたのに
ミクを、こんなに雑に扱い、
悲しませるのなら俺が幸せに
する‼ 俺が・・・
又俺が狙う。
拓也からミクをうばう。

1番許せ無かったのは
ミクをオバサンと笑う葵と一緒に
大笑いをしていた事だ、誰が見ても拓哉の為に一生懸命だろうが、
お前はもう彼女の夫の資格はない。

勝成は、葵とイチャコラする拓哉に呆れながら軽蔑していた。

「おい、拓哉、奥さん何か用
じゃないのか?ちゃんと
携帯でろ!」

勝成の怒り声に拓哉は葵を
気にしながら、渋々LIN〇を
開いた。


「拓哉・・・
葵ちゃんとの浮気旅行楽しんで
いますかー💨イエーイ
私も葵ちゃんみたいに絵文字
つかっちゃうよ〜ん🤗

明日五月五日は結婚記念日🎂だよ。
そして離婚記念日でーす💔😘
私も、拓哉を見習ってマンション出ましたー✌️😸
サイナラーもう
わないから

あ‼マンション購入は考えたら?
葵ちゃんとココに住めば良いんじゃない?そうしなよー、あとは
弁護士、通してねー👋🏽4寝

なれないミクの絵文字レターを見た拓哉の目が大きく開いた。


ガタガタガタ拓哉の右手が小刻みに
震え・・・バ、バレた・・・

「お、俺帰る。」
バタバタとバックを焦る

「待て待て待て待て
あと少しで着くから」

《《急ぐんだよー待てない‼》》

「葵ちゃんだって楽しみに
してるんだぞ」
落ち着けって危ない⚠
敦が拓哉を止めにはいる。

《《そんな場合じゃないんだよ》》
「どけっ勝成ボカッ」
運転席の勝成を蹴飛ばす。

イテッ
勝成は皆を下ろし又来た道を戻った。
こんなに動揺している拓哉に運転はさせられない。

マンションに着く頃は夕方近かった。
あの、てんとう虫運輸はミクの
引越しだったのか・・・。
あの時のトラックが目に浮かぶ。

ミクが呼んだのか?

すると実家から電話がかかってきた。

「ちょっと拓哉何やってんの?
離婚ってなに?
あんたあんな若い子と
裸で何してんのよ、」

「裸?なんの事だよ。」

「しらばっくれんじゃないわよ
なに、裸の写真みたわよ。
誰と子作りしてるの、相手が
違うでし ょ。
お父さん血圧上がって
頭冷やしてご飯もたべれないのよ。
愛人にマンション購入するらしい
じゃないの‼
ウチはそんなお金出さないからね‼

拓哉が浮気なんて、
信じられないって言ったら、
渋々ミクちゃんが
写真を出して見せてくれたわよ、
あんないい嫁、もう居ないよ‼」

「ちが、ミクの誤解なんだよ
全部違うんだ・・・。」

「嘘はやめなさい。
真剣に謝りなさい。

あの写真は、嘘は通用しない。」


「おふくろ、今から行くから
ミクを止めてくれ‼」

「もう居ないわよ!」

「なんで?裸の写真が・・・?」
ボソッと拓哉は呟いた。

「知らないわよ!
間違いなくあんたのポコ〇〇
だったわよ💥
小さい頃からのおしりのホクロ
ちゃんとついてたからね!▽ω▽
変態じゃないの!
ばかなの?アホ‼」

拓哉は携帯のアルバムを慌てて開いた。
大量の写真が又アルバムに戻っていた、動画も会話も何もかも。

「お前馬鹿なんだな‼
老いらくの恋そのまんまじゃね‼
じいちゃんか?

きっと彼女(ミク)が消して
自分のホルダーに入れていた写真を又戻したんだよ多分‼

彼女のメッセージだったんだよ
“浮気知ってるよ写真見てるよ“
ってな、そこで気づけ」
勝成は呆れ顔で呟いた。

「酔っ払って撮ったから
間違えて消したと思っていた

いつ、見たんだ?
いつ消して、いっ戻したんだ?
ロックは解除したのか?」

勝成は
「お前、酒飲んで寝るだろう
それに最近は疲れ気味だったな‼
ミクさんの飯食ってる時は
多少無理しても直ぐ回復してただろう、ミクを見ると直ぐ発情するとか
言ってただろうあの頃、

彼女もそんなお前の体を、心配して色々、食事にも気をつけていたんだろう。馬鹿だな‼
そんな彼女の飯食ってなかっただろ葵にしても
マンション購入するなんて言われたら、そりゃあ離れ無いぞ 馬鹿か!」




勝成はガツンと言ってやった。

「お前救いようの無い
馬鹿なんだよ‼」


「ミクは俺を離れる訳がないと
思っていたんだ。
ミクは俺に惚れていた!」


しかし部屋にはミクの物は何も
なかった。

拓哉のマンションは
雑誌で見るような独身男の
サッパリとしたレイアウトの
部屋になっていた。

そんな前からミクは計画して
いたんだな!
勝成の言う通り、相当な馬鹿だ‼

「勝成、1人にしてくれないか?
1人になりたい。」

「いや無理だ、お前を1人に
出来ない・・・。」

《《煩い💢》》
《《一人に、一人になりたい‼💢
一人 ・・・してくれーツ》》

「分かっ・・・て くれよ。‼」
流石に項垂れ青ざめた拓哉を一人
には出来ない。

勝成は揺れていた。

しかし、こんな拓哉を置き去りには出来ず、拓哉の体を抱えあげたが子供のように暴れる拓哉は
手がつけられず渋々、拓哉の
マンションを勝成は後にした。

「大人なんだから変な考えは
止めておけよ」


と振り返り怒鳴りつけた。