『人間はとても傲慢で残酷でとても酷い奴らなんだ』
そう、とてもとても罪深い。
誰かが言った。
『悲しいと思うのはそれを見てる自分が可哀想だと思うから』と。
そして続けて言った。
『涙を流すのは悲しいと思うから』と。
また、別の誰かが言った。
『人間は常に偽善者である』と。
そして続けて言った。
『良い行いをしようと思うのは結局は自分が満足したいからだ』と。
『でも、綺麗なんだ...』
『だって、バラも刺々しい茎があって花が綺麗だと思えるだろう?』
『人間もそれぞれ罪深いものがあって個性が目立つんだ』
『僕はそう思うよ』
『あぁ...でもモネはそんな罪深いものではないから安心してくれよ』
『・・・』
『次の話をしようか』
『じゃ...あ..私は......はないの』
『えっ?』
君が初めて喋ってくれた。
顔色は変わってないが確かに喋った。
自分で考えてくれた。
でも君が初めて喋ったのに僕は...。
『ごめんよ』
その一言で終わらせてしまった。