☆☆☆


『全部思い出したわね、中本璃子』


「やめて!」


中本璃子と呼ばれるたびに頭に鋭い痛みが走る。


『あなたは背が高いのを利用して、年齢を誤魔化してこの学校に転校してきた。記憶を失ったから忘れっぽくはなったが、一時的に性格が優しく変わって、新しい友達もできた。そこまではよかった。全ては私がここに転校してきてから。あなたは記憶を失ったために、私が誰か分からなかった。』


「やめてって言ってるでしょ!!」


『都合が悪くなった時にすぐに大きな声を出すところ、嫌いだった』


「…っ」


『今頭が割れるように痛いんじゃない?それは故障してた脳が元に戻ったからよ、おめでとう』


「うるさいっ…」


『今の私の声は頭に響いて辛いでしょうね、可哀想』


「…分かってるなら、加工するのやめなさいよ…!」


『美琴がやめてって言った時にやめたことがあったの?』


「…っ!!」