「首吊り自殺は失敗した時に後遺症が残りやすくて、このまま植物状態か、あと何日かでヤマだそうだ…」


そんな…!


「う、嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!お、お父さん笑えない冗談やめてよね…」



「悪いが、冗談じゃない」


「嫌!美琴!!」


起きてよ…、植物状態になった美琴なんて見てられない。


「眞子、体を揺すると逆に眞子に負担がかかる。そっとしておけ」


「う、うぅ…うわーーーーーん!!!!」 


大声を出さずにはいられなかった。


「眞子、きっと美琴は目を覚ますわ。やぶ医者の言うことは気にせず、美琴が目覚めるのを待ちましょう」


お母さんの化粧品の匂いが辺りを包む。


「お母さん、美琴が目を覚ましたら旅行に行こうよ」


「そうね、どこに行こうかしら」


「美琴はユニバに行きたいって言ってた!私も行きたいけどね」


お母さんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になった。


「いいわね」