復讐ゲーム

眞子の震えと連動するかのように私の体が震える。


助けに行かなきゃ。


頭ではそう分かっているのに、昨日の滝沢さんの言葉が頭にこびりついて離れない。


私が、自分の席で動けずに固まっている間にも、滝沢さんのいじめはエスカレートしていく。


さっきまでおしゃべりに花を咲かせていたクラスメイトたちも滝沢さんと眞子の様子を眺めている。


前までは何も言わずに眺めている傍観者が嫌いだったが、今では私もその一員になってしまっている。眞子のことをじっと見つめたまま、動けずにいるのだから。


今眞子はどう思っているだろうか。


いつもは遠くから眞子を呼んだり、直接助けに行っていた私が来なかったら。


眞子は俯いて、静かに涙を流していた。


その姿を見ても、自分の考えに反して体は全く動かなかった。


滝沢さんは一瞬私に視線を移して、勝ち誇ったような笑みを浮かべた。


…負けた。