ピンポーン♪


「瀬川さんー、入りますよー」


「はい!2階です!」


救急隊員が上がってくる音が聞こえる。


その時間がやけに長く感じた。


「娘さんの状態は?」


「さっきまで息をしてたんですけど、さっき止まって…心臓はまだ動いてます」


「…それは大変だ、行きつけの病院などは?」


「特にないです、小さい頃から風邪もあまり引かない元気な子供だったので…」


美琴…本当にごめんね…


「病院への付き添いはお母さんお願い出来ますか?」


「はい…」


美琴が運ばれて行ったあと、私は美琴の部屋に1人で立っていた。


「美琴…きっと助かるよね、私のせいだ…」


無意識のうちに美琴の勉強机の前に立っていた。


「あっ…」


美琴の机の引き出しから、小さなノートが出てきたのだ。


いつも買い物に行った時はどんなものを買ったのか教えてくれるのに、このノートは初めてみた。