まだ降りてきてないみたい。


「どうしちゃったのかしら?もう一回呼んでみようかしら…眞子、自分の好きな量だけ注いで食べといていいわよ」


「はーい」


美琴、怒っちゃったのかな…


「美琴ー!ご飯よ!あれ、寝てんのかな…上がってみるか…」


何回呼んでも返事がないようだ。


なんとなく、嫌な予感がした。


お母さんの足音が遠くなっていく。


鼓動が速くなる。


無意識に立ち上がった。


その時。


「キャー!!!」


「お母さん!」


美琴の部屋の開けられたドアの前で、お母さんが腰を抜かしていた。


その視線の先では、美琴が首を吊っていた。


「美琴!ねぇ!なんでそんなことを!」


急いで紐を解くと、まだ美琴には息があった。


「美琴!目を覚まして!」


呼吸は浅く、反応もない。


「お母さん!救急車!」