「美琴、なんかあったんなら言って?」


「な、なんにもないよ」


最近の美琴はおかしい。


前まで、幼なじみの彩ちゃんと帰っていたのに、最近は1人で帰ってくるし、行ってきますや、ただいまなどの声がやけに暗い。


朝に強い子だったのに、朝ぐずるようになって、学校に行きたくないと言うことも多くなった。


美琴は絵を描くのが好きで、前は学校の休憩時間に描いたという絵を、楽しそうに見せてきていたのに、最近ではそれもなくなった。


「お姉ちゃんに出来ることがあるならしてあげるから、嘘をつかないで?」


「…」


「美琴?言わなきゃ、お姉ちゃんも分からない…」


「うるさい!お姉ちゃんに分かってもらわなくてもいいもん!」


部屋を出て行った美琴の背中を見て、苦しくなる。


急に1人でお風呂に入り始めたのが2ヶ月前。


先週、お風呂から美琴の声がしたので、行ってみた時、美琴の背中に大きなあざが見えたのだ。