「やっぱりなんかおかしい」


「な、何がだよ…」


細野が、見えない何かに首を絞められながら言った。


「なんでもない、ごめんね」 


「は、はぁ?」


顔を疑問に歪ませたまま、細野は死んだ。


さっきは全然力をいれずにボールを投げたのに、ボールは細野が避けられないはどの速さと、受け取れないほどの強さを持っていた。


『林原麗奈、おめでとうございます』


びっくりした。


『気付いたようですね、違和感に』


「相当のバカじゃない限り気付くわよ」


『そしてあなたは同時に本当の自分を取り戻した、…中本璃子(なかもとりこ)


「…はぁ?痛っ!」 


“中本璃子”その名前を聞いた瞬間、頭に鋭い頭痛が走った。


『ヒトゴロシ』


嫌、嫌、なんなの?!


この感覚…


美琴(みこと)…」


『思い出したぁ?!美琴は私の妹よ!私はずっと気付いていた。あなたと同じクラスになった時、運命だと思ったわ!』


「私は…」