「私は滝沢さんにいじめられようと、眞子と仲良くできればそれでいい!」


眞子が学校に来なくなったり、自殺したら、私はどうすればいい?


「ありがとう、千夏がそう言ってくれて嬉しいよ」


これで千夏が私の前からいなくなることはない、そう思った。



⭐︎次の日⭐︎



ふと教室を見渡すと、教室の隅で本を読んでいる眞子が目に入った。


…あ、よかった、来てる…!


ほっとしたのも束の間。


滝沢さんが眞子に近づいていったのだ。


眞子が顔をあげる。


眞子の顔から血の気が引き、本を持つ手が震えている。


滝沢さんは不敵な笑みを浮かべ、眞子の手から本を奪い取る。


「…あっ、やめ…」


眞子とは席が離れているし、SHR前のザワザワした教室内で聞こえるはずのない眞子の声がまるで近くにいるかのように耳に響く。


「ダッサ〜い!こんな本読んでるのぉ?」


机の下では眞子の足が強く踏みつけられている。