「ハァ、凛華。血が止まったんだね。良かった」


違う。


凛華は血が止まったんじゃない。


死んでいるのだ。


そう分かっていた。


でも、信じたくなかった。


「凛華…」


凛華の体はだんだん薄くなっていき、そして消えた。


「うわぁーーーーーーーーん!凛華ぁ!凛華ぁ!」


「…ご、ごめんよ。俺が当てたばっかりに…」


顔をあげると、見覚えのある顔が視界に入った。


「廉…?」


「許してくれ!別に当てようと思ったわけじゃないんだ!」


自分の中で、何か(・・)が音を立てて崩れた。


「廉も、大っ嫌い。死ね」


私は凛華の横に転がっていたボールを手に取り、素早く投げた。


そのボールは優しく連の体に当たって落ちた。


「麗奈…?ギャッ!」


廉の体に大きな斧が降ってきて、体を真っ二つにしたのだ。


「ハハハッ!ハハッ、ハハ…」


「イャァァァ!」