復讐ゲーム

「隙あり!」


パァン!


乾いた音が響いて、花音の体が揺れた。


「痛っ、木村くんひどぉい!花音痛かったぁ〜!うわーん!」


運動神経がいいことで有名な木村海斗(きむらかいと)が花音にボールを当てたのだ。


「花音!」


「ん?千夏どうしたの?」


「だって、だって花音死んじゃう…」


千夏の声が震える。


「何言ってんの千夏、私はさっき3個命をもらったんだよ?」


そうだ。


その3つの命の()持ち主の流した血は跡形もなく消え去っていた。


なんで消えるんだろう。


誰かが拭き取っているわけでもないのに。


「あっ、そっか、花音はまだ大丈夫なのか…」


千夏はほっと息を漏らし、私をちらっと見た。


その時。


「あっ、千夏!!」


鈍い音がしてそっと目を開けると、花音が千夏の前に立っていた。


「何すんのよ!」