うんうん。


「え?!学校?!」


どうやら自分の部屋だと思っていたらしく、キョロキョロと教室を見回して、ほんとだ…と呟いている。


「帰る!」


凛華が急に叫んでドアの方へ向かっていく。


「あ、ちょっと」


ガン!


「開かない?!なんでよ!」


鍵がかかっているのかびくともしない。


「前もだ…」


さっき凛華が開けようとしたのは後ろのドアなので、前のドアを確認しに行った花音が呟く。


「ここから出られないってこと…?」


なんで?


…。


「キャハハハハッ!マジウケるぅ!」


「おー、やれやれー!」


声のするほうを見ると、見慣れない顔の女子がクラスの不良グループに絡まれていた。


「あれ…誰?」


「あー、多分あれ、千夏ちゃんじゃないかな。あの、2年生の時に不登校になった新川千夏(あらかわちなつ)ちゃん」


「なんで凛華知ってるの?」


「1年生のとき、仲良かったんだ」


あ、そういえば…