周りからクスクスと笑い声が聞こえて、気がつくと全身びしょ濡れになっていた。


嗚呼、人間は誰かをいじめなきゃ、生きていけないんだ。


自分を正当化するために。


自分はこの人とは違うってことを自分の中で証明しなきゃいけないから。


辺りに響く小さな笑い声の中で立ち尽くすしかなかった。


「汚ーい!片付けといてよね!」


まだ顔も確認できていない、私に水をかけた生徒の声が自分の声に聞こえた。


『美琴まじ汚い、死ね』


嗚呼、私はどこで道を間違えたのだろうか?


眞子に再会したこと?


この学校に転校したこと?


ー美琴をいじめたこと?


なんであんなバカなことしちゃったんだろう。