「ごめん、海斗（かいと）！遅れた～！」

待ち合わせ場所である水族館の入口に立って、スマホをいじってる幼なじみであり彼氏の海斗に、私は話しかける。

「澪（みお）。おはよう」

スマホから顔を上げた海斗は涼しげな笑顔で私を見た後、スマホをカバンにしまった。

「……好きだね。その服」

海斗は、私が着てる可愛いサメの絵がプリントされた白いTシャツを見つめる。

「それに……そのパーカー、どこで売ってたの？」

私がTシャツの上から羽織ってるのは、フードを被ればサメに食べられてる風に見える灰色のパーカー。

「この間、妹が友達と水族館に来た時にお土産として買ってきてくれたんだ！」

私の言葉に、海斗は「そっか」と微笑んだ。

「海斗！早く行こうよ！！」

私は、海斗の腕を引っ張る。海斗は「分かってる」と頷いた。

私と海斗は、小さい頃から家族と良く水族館に遊びに来てるんだ。

今日は、2人で水族館へデートするんだ。朝から夕方までいる予定。ここの水族館は大きいし、定期的に色んなショーをするから飽きないんだ！

私たちは、入場券を水族館の職員さんに渡して中に入る。

水族館デートの始まりだ～！！