保健室の窓から渡り廊下を挟んだ向こう側に校庭が見えた。 ザワザワと風に揺れる木々の音だけがする。 「僕ね、」 そんな風音に混じって、よく耳を傾けていなければ聞き逃してしまうような小さな声で外山くんがポツリと呟いた。 「僕、人が多いところとか閉鎖的な場所がだめで。長時間いるとさっきみたいに発作が出てしまうんだ」 うん、と声を出さずに頷く。 「だからずっと怖くて教室には行けなかった」 外山くんが教室に来られなかった理由。 ずっと聞けなかったことを今、彼は私に伝えようとしてくれてる。