僕らのワンシーン


 俺はその少し潤んだ瞳を食べてしまいたいとさえ思った。

 俺はゆっくりと彼の唇に、自分の唇を近づけた。

 触れると綿飴のように柔らかい彼の唇は、微妙に熱を帯びていた。

 彼が好きだと言ってからどのくらいの時間が経っただろうか。

 俺はやっと彼の言葉に返事をした。