これで2回目。
それなのに、何か…前回とは違う。
彼の傍にいたいって
そんな図々しい事を思ってしまったんだ。
「然さん…」
さっき見た美南さんに優しくしている姿を思い出し、ただただ切ない気持ちだけが募る―――
ボヤ騒ぎはスプリンクラーのおかげもあり鎮火。
室内の焼けた部分の原因解明に警察と消防が調査に入り、私はと言うと体はなんともないけれど
早退して念のため病院を受診するよう言われてしまい強制帰宅。
然さんにも美南さんにも
挨拶する事なく帰ってきてしまった。
「はぁぁ…」
家に到着すると
脱力したようにベッドに横になり目を閉じた。
今頃あの2人は一緒にいるのかな…
何、しているのかな。
そんな事を考えてしまう私って
最低な女だ。
―――ピンポーン…
ドアホンから聞こえたチャイムの音。
今日は出る気になれなくて
居留守を使って聞かなかった事にしたかった。
それなのに…
『由凪さん、いる?』
画面から聞こえた然さんの声。
居留守なんて
使えなかった。



