年甲斐もなく恥ずかしいと思った。
然さんに見られる事も、この格好のまま部屋の外に出る事も。
すると…
「ちょっと待ってて」
そう言い残し
彼は先に室外へ。
待て、と言われてしまえば
大人しく言う事を聞くしかなくて
その間に足元に落ちている洋服を集めていると
彼が戻ってきて。
「少しこれで隠して。」
そう言って薄い毛布のようなものを私に掛けてくれた。
「あ…りがとう…」
わざわざこれを取りに行ってくれる優しさに
またドキッとしてしまう。
2人で部屋の外に出ると
すでに数人もの人達と消防が集まっていて
スタッフは全身ずぶ濡れの然さんを気遣っている。
『平気だから』と言って彼が向かった先は
気力を失い壁に体を預けている美南さんのとこ。
涙を流し然さんの胸に飛び込む彼女に
彼は、そっと背中を摩る。
そんな2人を遠くで見つめ
胸の奥がザワザワしながらも
私は目を逸らしてシャワー室へと歩いていった。
唇に残るキスの感触が忘れられない。



