溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜


自問自答ばかり繰り返してしまう。

『彼女の為に何か1つでも救ってあげられたら』って
それだけの気持ちで結局何も出来ない。

実行しなきゃ何も意味がないのに
全身の震えが止まらない。
抱えた数枚の洋服を握りしめたまま
煙に包まれていく―――


「何してんだ!由凪さんッ」

俯いていた私の頭上から
聞こえてきた、彼の声…

「然…さん?」

困っているのか怒っているのか
複雑そうに私に言う。

「無茶しないでくれるかな。
 俺には心臓に悪いよ…」

呆れながらもホッとした表情で
手を差し出してくれる彼。

それなのに私は…

「せめてこの洋服は…運びたい」

まだそんな事を言ってる。

「さすがにもう無理だよ。
 諦めてすぐに出るよ。
 このままじゃ逃げられなくなる」

「わかってる…
 だけどこれは彼女の全てだから」

「え…」

「私には大切なものを守りたいって覚悟がない。
 だけど美南さんは、ちゃんとそれを持ってる。
 奪っちゃダメなんだよ!」

言ってる意味なんてメチャクチャで
子供みたいなのはわかってる。