溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜


「笑顔を忘れないで」

腰に手をまわしながら言うから
撮影とは違う緊張が走る。

それから1つ1つ丁寧に教えてくれる然さんに
私は、いつの間にか自然と笑みが溢れていく。

やっぱりこの人は凄い。
この場に立つ被写体を引き立てる才能があるのだから。

「試し撮りは以上です!
 お疲れ様です!」

無我夢中で必死だった私は
撮影スタッフの言葉で大人数の注目の中
今までカメラを向けられていた現実にハッとさせられた。

「上手に出来たじゃん」

「あ、ありがとうございました。
 なんか…あっという間だった気がします」

優しく声を掛けてくれる然さんに
私はまだドキドキと緊張が続きながらも頭を下げてお礼を伝えた。

こんなにたくさんの人達に囲まれてカメラを向けられる撮影現場なんて、テレビの中でしか見た事がなかった世界。

その場に今自分が立っている事が
まだ信じられず実感がわかない。

ほんの少しだけど
楽しいって気持ちが芽生えたのも確かで
頑張ってみようかなって思えた。