溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜


そんな顔をされたら
何も言葉が出て来ない。

確かに昨日
然さんの会社のモデルを引き受けたけれど
今の2人の会話だと
もしかしてこの人がモデルをする予定だったんじゃ…

「…そう、なんだ」

さっきまでの笑顔は無く
目を逸らして暗い表情で呟く彼女は
初対面の私でもわかるほどテンションがガタ落ちし、納得していない様子。

なんとなくだけど…
あまり良い雰囲気じゃないのでは?

「この人、新人スタッフじゃなかったんだね」

「新人スタッフ?
 今日から”モデル”として働く人だよ」

エレベーター内の会話を知らない然さんは
当たり前だけど素直に答える。

美南さんから受ける冷たい眼差しに
誤魔化して嘘をついてしまった事を申し訳なく思い、小さく頭を下げるしか出来ずにいた。

「由凪さんは次の仕事があるから、もう行くよ」

このタイミングで?
明かに場の空気が悪すぎなのでは?

どんどん先を歩く然さんに
ほぼ強制的な形でついていくしかなく
彼女に一礼して早々にその場を後にしたーーー