初対面の男性の前で
寝落ちしたのは私自身の油断が招いたもの。
だから迷惑を掛けたのは私の方だから偉そうな事も言えないんだけど…
30歳にもなってコレは情けない。
「飲みすぎてご迷惑をお掛けしてすみません。
全ッ然覚えていないので
今となってはもう何も…」
「気にしないで。
意識のない女性を勝手に連れ込んだのは俺なんだし」
その自覚はあるんだなと頭の片隅に思いつつ
恥ずかしさのあまり彼の顔も見れず
トホホ…と肩を落として俯くと
彼は私の頬に触れながら小さく囁く。
「さすがに眠っているところを襲うのはマズイと思うけど…」
「え?」
聞き返すとほぼ同時に
彼はスッと立ち上がり私の両肩を軽く掴み
後ろへと倒していく。
「なっ!?」
ドサッ…
どういう状況なのだろう
ベッドに押し倒された私。
目の前には綺麗に整った顔立ちの鳴瀬さん。
その瞳は先程までとは違い、何というか…
(み、魅惑的…)
色気ムンムンなのに
目の奥の男らしさにドキッとしてしまい
逸らす事が出来ない―――