人生の絶望みたいな私と真逆に
彼はと言うと…

「あはは、面白い」

プッと吹き出して
クスクス笑っているではないか。

な、なにが可笑しいの!?
もしかして私!?
私の昨日の《《行為》》!?

驚きやらショックやらで
瞬きもせず言葉も出ずにフリーズした私を見た彼。

「あー、ごめん
 ちょっとふざけすぎた」

『笑ってごめんね』なんて言いながらも
堪えているように見える。

「勘違いさせる言い方したけど
 何もなかったから安心して?」

「何…も?」

「そ。由凪さん寝ちゃって
 自宅の場所もわかんないし
 そのまま放置するわけにもいかなかったから
 俺の家に連れて来ちゃったけど
 何もしてないよ、大丈夫」

そう言われても
覚えていないのだから信じられるはずない。

「…と言っても
 信じないよね」

無意識ながらも疑いの眼差しを向けていたのは彼にも気付かれ、苦笑いを浮かべている。

「さすがに寝込み襲ったら捕まる。
 俺もまだ職を失うわけにはいかないからね。
 だから本当に何もしてない」

連れて帰ってきた時点でアウトなのでは…。